コストを無視して理想論は語ってはならない

それと、右翼左翼関係なく、モノにはすべてコストがかかるということも忘れてはダメです。

たとえば、左翼勢力は安易に機会の均等、格差の是正といいますが、すべての人材に機会の均等を!といったって、人材の選抜には時間も手間ひまもかかるのですよ?

もし、インドや中国やツンドラ地方の貧民を含むすべての人たちにキャリア職業へのステップとなる学術機関へのエントリーを解放したとしましょう。おそらく数億枚のエントリーシートが機関にとどくでしょう。おそらく一人の候補者に吟味する時間は0.01秒程度しかとれないでしょう。

どうやって手っ取りばやくホンモノを判断します?現地まで私立探偵を派遣させますか?何人いるでしょうね。数億人だから一人10人だとして数千万人の探偵が必要となります・・いや、不正を許さぬ丁寧な調査をするには、もっと人手が必要でしょう。

学歴や職歴、親の出自、有名教授や政治家の推薦状などのレッテルデ判断するならば、コンピューターがエントリーシートに記載された文字を読み取れれるので秒単位で合否を判断、ランクごとに分類さえできるでしょう。でも、それって今までとおなじじゃないですか!っていうか前よりレッテル依存が強まってませんか?

思うに、学歴とかって、いわば、信頼できる”格付け機関”に人材吟味を”外部委託”して、人材選別コストを低減する装置だったんじゃないでしょうか。だって、人材の吟味をディープにおこなうとしたら、徒弟制度とかスカウトマンを多数雇用してつきっきりでストーキングするといったマンパワーを無茶苦茶浪費するシステムしするしかないですよ?でも、そうなったら職人の弟子とか博士の助手とか野球の選手と同じく、わずかな人数しか面倒みきれないですよね?かえって、機会の門戸をせばめてませんか?おそらく中世がそうだったのでしょう。

おもうんですが、学歴や出自で判断されるのは不快かもしれませんが、中世の徒弟制度よりは機会がひろがってませんか?前近代ならば、エリートの最短距離である、有名教授に面通するにこぎつけるまでのプロセス自体が閉ざされていたんですから・・・

別の方法を考えましょう。私立探偵ではなく、人材選別機関のエンジニアを数百万人雇いましょう。国では不公平感があるので国連に委託するとしましょう。でも、コストはどこから調達するんですか?国からですよね?全部の国から少しずつ徴収するとします。でも、このコストが、機会開放による貧民の底上げ分の国富を全部食いつぶしてしまうようだったら、かえって貧困を促進することになりますよね?中国共産党の役人ですら、コレよりもはるかに小額ですんでいるのですから、こんな機関を維持するとしたら世界経済は崩壊することでしょう。

機会はコストの壁にぶちあたり、無限に広がることは不可能です。そこでわれわれは、やむなく簡便に判断が出来るレッテルに依存したり、自分の代でだめなら。。と、次の世代に託したり、循環論のパラドックスを利用(排除?)して、こいつが援助を必要としている悪条件の渦中にいるのは、援助しても効果が無いダメなやつだからだろう、ほんとに優れた奴なら、援助を必要としてる不利な条件から、とっくに脱しているはずだ、たとえ何代かかってもな!”と考えてあきらめるのです。

いまでは刑務所でITの授業が行われているようですが、こういってはナンですが、ITわかる頭だったら刑務所入っていないですよね?Iわからないから食うに困り、売人やバール”のようなもの”で窃盗しらり、ヤクザしかできなかったりしてここにいるんですよね?IT技術者として生きていけたら、そんな稼業をやってるはずがないですよね?ITの求人なんて、今まで雑誌にかなりたくさん載ってましたよ。犯罪者のみなさんも、面接うければよかったじゃないですか。

ITができたらここから抜け出せるのではなく、ITができないからカタギのせかいからここにおっこってきたんですよね?ってことは、彼らにITなんかおしえても税金の無駄ってことですよね?

これって、格差の問題とか男女関係とかワーキングプアとか、すべてにあてはまりませんか?

前に出たエントリーシートの問題にしたって、もしコンピューターで送るという風に限定したとしたら、”コンピューターの無い農村部の人は実質締め出されることになるので不公平””マグロ漁船で作業してるなど、ネットから隔絶されている人、貧困でPCをもてない人への差別だ!”
ということにもなりますよね、

でも、学問するに値する優秀な頭脳をもつ人が、PCが使えない環境にいるというのはおかしくないですか??親がバカなら子も頭いいわけがないから、親が貧乏なわけがないし、だからネットの無いところに生まれついてるはずも無い。つなげる環境に生まれついてなくとも、多少賢い子なら、金稼ぐなり買うなりできますよね。

自分をエントリーできる環境にすらおけない人に、学問せたところで効果があるわけが無いですよね?ですから、無限に機会を拡大したところで意味が無いですよね?

むしっろ、学問うける資格がめちゃくちゃ高そうな若者を吟味するコストを奪ってしまうわけだから、かえって悪影響がありますよね?


それと、マイノリティーに謝罪してから対話を続けたいとのお言葉ですが、意味がわかりません。そもそも、管理人さんとマイノリティーのかたがたには、何の関連もありませんし。もし管理人さんが、己が彼らの代弁者であるとお思いでしたら、それはちょっと違うのではないかと思います。

そのまんま返します

>「日本に働く日本人の男性労働者(おそらくこの中には性的少数者の方々や障害者の方々は含まれないのでしょう)」という、世界中にもせいぜい数百万か数千万人しかいないような人々を、日本の中においてさえ決して「多数派」と断言できないような人々を、奇妙にも他の世界の全てから切り分けて、自己の実存の全てをそれに同一化し、卑しくも「日本人の代表」や「愛国者」を気取ってみせる、その態度の醜悪さについて真剣に考えたことが一度でもあるのでしょうか。


「日本で働くことができない日本人の非労働者、特殊労働者(おそらくこの中には性的少数者の方々や障害者の方々以外のいたってノーマルな大多数の人たちは含まれないのでしょう)」という、日本にもせいぜい数万か数千人しかいないような人々を、あわよくば世界の中においてさえ決して「多数派」と断言できないような人々を、奇妙にも他の世界の全てから切り分けて、自己の実存の全てをそれに同一化し、卑しくも「抑圧されし者の代表」や「マイノリティーの旗手」を気取ってみせる、その態度の醜悪さについて真剣に考えたことが一度でもあるのでしょうか。

2007/02/27(火) 03:25:02 |

ある種の特権

マイノリティー、弱者、被抑圧者という、安全な囲いつくりその中に逃げ込み、自分の身の位置が安全なることを傘にきて、平凡、普通を見下して己は特権階級にあずかり、決して自分は傷つかない高みの位置から、絶対にリスクを追うことのない誰をも実現不可能な机上の空論を放言しておのれは人より上だと悦に入り、実際は何もしなく、大方の人間だって何もできないがそのことを恥じ謙虚にふるまうのに、その庶民たちの千億分の一の謙虚さもみせず、ただひたすら無理難題を、安部内閣、日本社会、一般企業、男たち、国連、己の扶養者に向かって無理強いすることは、かれら文明維持者に対する冒涜にほかなりません。今すぐに、日々勤労している、名も無きおとうさんたち、作業着きて死のリスクを負いながら必死で便利な生活インフラを維持しているあんちゃんたちに土下座してあやまりなさい。
2007/02/27(火) 03:36:13 |